応援の声が途切れた静寂に
蹴音(けりおと)響く真夏の三ツ沢
INAS-FID(国際知的障害者スポーツ連盟)は1986年に設立された知的障害者のためのスポーツ連盟。本部はオランダです。16ヵ国の代表チームが参加するこの世界大会は「もうひとつのワールドカップ」とよばれています。
8月15日、その日はひどく暑かった。
2002 INAS-FIDサッカー世界選手権大会、日本vsマリ。
近所に住む、サッカー狂の親娘さんと3人で三ツ沢へ向かった。
彼女らはF・マリノスのサポーターなので、
三ツ沢へは通いなれた道。
「人が少ないね〜 ほんとにやるのかね〜」
などと言いつつ競技場へ。
とにかく暑い。蝉の声がじんじんと降ってくる。
競技場へ着くとボランティアの人が応援グッズを配っていた。
お疲れさまです。どうもありがとう。
観客席に着いたのが午後4時ごろだったろうか。
当日のスタメンが発表されたらしく、
応援団長がひとりずつ名前を読み上げ、
われわれはそれに合わせて拍手をし、声を上げる。
いい雰囲気だ。
キックオフ。
応援はさらに盛り上がる。
私はどういう人たちが応援を仕切っているのかが気になった。
年齢層は若い。そこらの兄ちゃん、姉ちゃんと同じだ。
しかし、Jリーグでもなく、ましてやワールドカップでもない、
この試合にこれだけ情熱を傾けるというのはすごいことだ。
ただただ感心するのみ。
きっと、選手たちにゆかりの人たちなのだろう。
幸せな選手たちだ。
選手たちは知的障害というけれど、
私なんかよりずっとずっとルールや戦術を把握している。
素晴らしい。
名前を覚えることがほとんどできなかったのが残念だったが、
しっかり覚えたぞ、大森!
日本は負けたものの、キーパーの彼の好セーブは光っていた。
試合終了。
応援席に手を振る、がんばった選手たちに、
いつまでも、感謝とねぎらいのコールがこだましていた。
終わり
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いざわひさよ
歌よみ、ライター。音楽にのせて自作短歌を朗読。
「おもいっきり素朴にLOVE&PEACEを歌にします。
日常の何気ない喜び・悲しみから、この国・この星の未来まで。
短歌って楽しい!って思っていただけたらな」(ライブ案内より)
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