「毎年12月になると、クリスマスにむかって地球の天使たちは、
どんどんふえはじめます…」 (『天使のみつけかた』おーなり由子)
先日、フリマで見つけた本の一節。
そうだなあ、今年もクリスマスが近づいてきたんだ、なんて思いながら
100円でゲットした。
最近、「天使」にこだわっている。
大好きな人の大好きな唄に天使が出てくるからなのだが、
それはまた別の機会に書くことにして、
今回は3年ほど前、ある女性に贈った5首の歌を紹介させていただく。
読みさしの『星の王子さま』机の上
あの娘(こ)も星から来たのだろうか
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天使のような娘だ… 彼女を知れば知るほどそう思うようになった。
はにかみ屋なのに、その場の空気を和ませてくれる。
彼女は絵を描くのが好きだ。天使の絵をよく描く。
ある日、彼女が机の上に何気なく伏せておいた本を、偶然開いてしまった。
『星の王子さま』。なるほど、と思った。
「星」と「天使」、何か共通するものがあるような気がする。
透明な空気をまとったあの娘には天使の羽が似合うだろうな |
しかし。
前述したおーなりさんの本によれば天使と人間には明確な違いがあるようである。
ある人が「天使のように」ステキに見えるとき、
それはそばに目に見えない「天使がいるから」なのだそうだ。
そういえば、「天使のいたずら」とかいう言葉もある。
それならばあの娘のまわりにはいつも天使が飛び回っているのかもしれない。
たいていの天使は幸せを運んでくれる。
「なみだ天使」だって「失恋天使」だって私たちをなぐさめにやって来てくれるのだ。
彼女も今までの人生でずいぶん悲しい目にあってきたと言う。
私もよく泣く方だが、彼女もかなり泣き虫だった。
涙が出るのは、多くを期待してしまうから。
「それはそれでいいじゃないか。泣けなくなったら人間終わりだ」
なんて開き直るのもいい。
そんなとき天使はきっと笑っているだろう。
アンテナをのばして宇宙と交信す私はここで祈っています |
彼女の作品にこんなイメージの絵があった。
アンテナのついたカプセルの中に少女がひとり座っていて、目を閉じている。
何を祈っているのかはわからない。
天使にはわかるのだろうか。
その絵ではカプセルのまわりを天使が飛び回っていたような気がするが、
残念ながら、私の記憶は曖昧だ。
君想い宿題みたいに歌を詠むピアノにのせて天使のエチュード |
「エチュード=習作、練習曲」
もともとこの5首は、彼女に贈りたくて作った歌だ。
当時の自分としてはかなりがんばって作った。
彼女の描く絵、性格、表情や笑い方などすべてからイメージしたもの。
贈ったとき、想像以上に喜んでくれた。
私に「アイデア天使」がついていてくれたのかもしれない。
私は今でもときどき宝物のようにこの5首を読み返している。
彼女は今、ちょっと遠いところに暮らしていて、なかなか会えない。
クリスマスくらいには帰省するだろう。
電話でもかけてみようか。
こんな気もちにさせてくれるのもきっと天使のしわざだ。
みなさん、Merry Christmas!
《2002年11月21日》
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いざわひさよ
歌よみ、ライター。音楽にのせて自作短歌を朗読。
「おもいっきり素朴にLOVE&PEACEを歌にします。
日常の何気ない喜び・悲しみから、この国・この星の未来まで。
短歌って楽しい!って思っていただけたらな」(ライブ案内より)
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