ゴールデンピーチネイルズ 佐々木公美 045-664-1408
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「 特別のことがある時に来られる方が多いですね。もしくは、自分の誕生日だから来ちゃった−とかね。そうそうそう。合コンの前に来たとかね。」
Q:どんな仕事ですか?
ネイルサロンで主に爪と手と足の爪および指のお手入れ。ネイルケアとかハンドマッサージとか、それに附随してアートとかつけ爪とかそういったことも含まれてますね。こうやって爪に絵を描いたりとか。エアブラシも使います。車の塗装に良く使う、あれの小さい版があるんですよ。ちょっとうるさいですけどね。マスキングとか使っていろいろできますよ。こうやってぼかしたりとか、こんな感じとか。

ハンドマッサージといっても、頭が痛いから、肩がこるから、それを直そうっていう目的の人は来なくって、そうじゃなくてリラックス。それだけで来る人ってめったにいないんですよ。お手入れしてなおかつマッサージもしてもらおうかしら、気持いいから、手がしっとりするから、とかそんな感じ。あ、でもツボも押しますよ。うん。

注文をこまかく言われる方もいるし、初めての方とかも多いです。「リラックスしてくださいね」と言ってもこう(手をこわばらせる)してる人もいるし、これじゃできないー、みたいな(笑)。

ネイルサロンて敷き居が高いから、やっぱりみんながみんな来た事あるかって言ったらそんなことないんですよ。ネイルサロンてあるのは知ってるけど、ちょっとぜいたくだし、爪なんて切れるし、自分でやるかなって。で、来るのはもうじき結婚式だからとか、もしくは結婚式よばれている友だちの方がスピーチするからとか、みんなの前で手を出すからとか、ドレスに合うようにとかね。

特別のことがある時に来られる方が多いですね。もしくは「自分の誕生日だから来ちゃった−」とかね。そうそうそう。合コンの前に来たとかね。

でもね、一本だけ爪が折れてそれを直すこともできるんですよ。お医者さん的な事というかなんというか。「折れちゃったんですけど今日行っていいですか」てOLさんが昼間電話をかけてきて、じゃあ予約空いてればいいよって直してあげるとか。

(お客さまの) 年代は幅広いです。18くらいから上は50代、60代くらいなんだけど、メインがやっぱりOLさんかな。20代、30代。自由に使えるお金がある方。けっこうぜいたくですね。だから何か付加価値を求めてるんじゃないですか。リラックスできる、気分転換できるとか。別世界で悩みごとも相談できるし。会社の事を友だちに言ってもわかってもらえないけど、まったく別の人にただ聞いてもらいたいとか。やっぱ親しいお客さんとかはね、いろんな話をしますよね。家庭の話とかもするし、彼の話とかもするし。

だからたぶん合わない人は二回目ってこないです。

お客さんは百パーセント予約ですね。あいてればぜんぜんオッケーなんですけど、私一人でやってると絶対できないから、帰っていただくことになるとそのお客さんの時間がもったいないですしね。
「毎週やってればとってもきれいな爪でいられるのね。けっこういろんな人に『爪きれいだね』て言われて、うれしいじゃないですか女として。いいなあっていうのがあって。」
Q:この仕事についたのはなぜですか?
美容師をやってる親戚がいるんですよ。小さい頃、月に一回くらいは髪の毛切ってもらうでしょ、その時にお手伝いしたりとかタオルを干すの手伝ったりとか、パーマのペーパーてあるでしょ?昔は使い回しだったからそういうの干したりするの手伝ったりとかすごい身近だったんですよ美容院が。なんか自然と私は将来美容師さんになるんだパーマ屋さんになるんだっていうのがあって、当然のように美容学校へ行って美容院に就職したのね。

美容師の資格は働きながらとるんですよ、インターンを一年間やらないと免許をとれないんです。一年働くと国家試験を受ける資格ができるのね(現在は学校が二年制になり卒業後国家試験を受験できる)。衛生法規とか、病気の人がいて伝染して広げちゃうと困るわけじゃないですか。そういった勉強もしないといけないし。そんなに専門的なことではないですけど、一応基礎的なことをね。あと語弊があるけど、おかしな人はなれないのね。いきなり人を刺しちゃったりとか怖いし。

で、美容師になりたくて、美容師になろうと思って、なったんですけど、あの、ドクターストップがかかって立ち仕事ができなくなっちゃたんですね。病気で。命にはぜんぜん別状はないんだけど、立ち仕事ができなくて、しょうがなくて、泣く泣くやめて。

そのあと、どうしよう?て思った時に、学校へ行ってた時に爪の時間というのが週に一回あって、とってもおもしろかったんですね。相モデルできれいにし合うんですよ。そうそうそう。で、毎週やってれば、今やってないから汚いけど、ぼろぼろだけど(笑)、とってもきれいな爪でいられるのね。けっこういろんな人に「爪きれいだね」て言われて、うれしいじゃないですか女として。いいなあっていうのがあって。

やりたくて、やろうと思ったんだけど、今ほどそんなにないんですよ。学校も一二件しかないし、ネイルサロンもそれくらいしかないし、仕事としてはまだぜんぜんない。それで、ま、知り合いの紹介でエステティックサロンに入って、しばらくそういうのは無理だなあって思ってやめてたんです。

そこのエステティックサロンの人に相談したんですね。やりたいんですけど、ここではネイルの勉強したり、お客さんをやらせてはくれないんですかって。「田舎だからまだまだこういうのは無理よ。いずれ何年かして流行る時代が絶対来ると思うから、そうしたらまっ先にあなたを勉強会に送り込んであげるわよ」そういう感じで言ってくれたから入ったんですよ。でも、そんな時代は来なくて。そう、すごい時間かかった。

でも、なんだろ、エステもすごく楽しかったんですけど、なんかね、思ってた事と違ってたんで、やっぱり思った事やりたいなーていうので、どんどん年もとってきたし、スクールに行こうかなと。ちらほら雑誌で見たりとか、だんだんね。私もこれやりたかったんだよなーとか思ってて。

ネイルスクールへ行って、話すとまた長いんですけど、ちゃんとネイルサロンで働いてました。独立したのは、たまたまやる機会があって、ここではなくて小さいとこでテーブル一個だけ出してね。なんていうんですか、坪ショップというのがあって。一年契約で保証金も払って毎月家賃も払ってたんですけど、その業者がつぶれちゃったんですよ。保証金も返ってこないし。困った困った。

その時にたまたま知り合いのお店を間借りさせてくれて。そこはネイルの材料屋さんプラススクールで。ほそぼそと今までのお客さんのリピーターだけでって感じだったんです。で、探してここになったんです。

美容師をやりたかったんだけど、あきらめざるを得なくて、その時に思ったのが、美容学校時代のお手入れの楽しさ。自分がきれいになった時のよろこびを忘れられなかったし、きれいにしてると周りからほめられるって事も快感だったし。基本的にね、好きなんです。人にしてあげるのが。

Q:どうやればこの仕事につけますか?
ネイルスクールにいってお勉強するのが近道だと思います。国家資格がないから、明日からネイリストですってやる事は可能なんですね、法律の規制がないからできるんですけど、勉強した方が近道じゃないですか、だからスクールに行ってそこから紹介してもらった就職先なりで仕事をしたりするのが近道だと思います。

そうですね、うん。
「誰にも評価されないでやれって言われたらやってないですね。喜んでくれる人がいなかったらやってない。例えば私が料理がすごい得意だったらレストランでもいいかもしれない。 」
Q:仕事でうれしいことは?
すごいベタで申し訳ないんですけど、やっぱりお客さんが喜んでくれた時はほんと一番うれしいです。例えばアートとかしなくてもきれいになって「わーすごいきれいになった。どうもありがとう。うれしー」と喜んでもらう事がやっぱり一番うれしい。みなさん、絶対どんな職業でも言うと思うんだけど、ほんとにそれが一番。

特に初めての方ってすごく喜んでいただけるんですよ。色を塗らなくてもケアしただけでも、「気持もすっきりしたわー、手もきれいになったしー」みたいな。そうそうそう。男の人ってわからないかもしれないけど、やっぱ女の子はメイクのノリが悪いとか、なんか髪の毛はねねて今日はやだなとかってあるんですよ。でもそれって鏡を見なければわかんないけど、爪がぼろぼろの時って目に入るんです。だからいらいらもハンパじゃないんですね。気に入らないと。でもそのかわり、とってもいいなって思ってると、うれしいんですよ。つねにこう視界に入るから。だから、楽しいな−って思える。

(喜びを)もちろん言葉にしてくれる人もいるし、「ありがとう」ていうその言葉ひとつで、あーすごい気に入ってくれたかなっていうのと、あんまり今回気に入らなかったのかなっていうのがわかります。

誰にも評価されないでやれって言われたらやってないですね。喜んでくれる人がいなかったらやってない。自分のできる事でお客さんに喜んでもらえるのがいいですよね。例えば私が料理がすごい得意だったらレストランでもいいかもしれない。自分の作ったものを食べてもらうのでもいいかもしれない。そうそうそう。自分でちゃんとできることじゃなきゃだめです。喜んでもらうのはね。

私きれいごと言ってるんですかね?こんな事言ってて来月つぶれたらごめんなさいね(笑)。

Q:仕事でつらいことは?
うーん・・・。なんだろう。何かな。 そうですね、勝手にキャンセルされると困るかな。はいはいはい。他のお客さんが入れるスペースだったのに、ていう感じ?他の人に迷惑かけちゃうから。売上にひびくし、つらいっす。

やっていく上での悩みですか?うーん・・・。まだまだ、ここまでしなくちゃなんないとか、やらなきゃいけないけど、お客さんもやらなきゃいけないし。毎日あたふたしてるからあまり深くも悩みがない。悩む時間がないです。落ち着いたらがくっとくるかも(笑)。たいへーん、こんなになってるよーとかね。

自分でネイルサロンをやる事にあんま不安はないですね。たぶんないって事はないんでしょうけど、あんまりね、石橋をこう叩いて渡るタイプではないんですよ。渡ってからこの石橋こわれてたみたいな(笑)。美容師もね、こわれてたんだよね。そうそうそう。壊れて落っこちちゃった。走り抜けてから壊れる分にはいいんだけど、走ってる最中にあれーってね。壊れてましたほんとに。
「もちろん技術もそうかもしれないけど、私の事を好きでいてくれてる人しか来ないと思うんですね、私しかいないから。うちに来るってことは私が好きだから来てくれると思うんですね。」
Q:仕事でこころがけていることは?
お客さんに対してリラックスしてもらうとか、緊張感をとってもらうとか、ここに来てる間はすごく楽しい気分でいてほしいたいなって事を心掛けてますね。

そのためにはどうすればいいんでしょうね。て、いつも考えています。うんうんうん。それは人によって違うし、決まった方法があったら知りたいです。なんかその魔法のカギがあるならね。人によっても違うし、どーんと落ち込んでいる時もあるし、なんかこう話して発散してもらえたらいいなって思いますね。

ここに初めてきたお客さんがいきなり人生相談はしないんですよ。ま、ちょっと愚痴くらいは言うけども、二回目三回目って来てくれる人は、もちろん技術もそうかもしれないけど、私の事を好きでいてくれてる人しか来ないと思うんですね、私しかいないから。うちに来るってことは私が好きだから来てくれると思うんですね。てことは、技術はできるのが当たり前だから置いといて、なんか私の事が好きとか話を聞いてもらいたいとか、または聞きたいとか、そういうのがあると思ってるので、そういう話しやすい雰囲気とか、落ち込んでればなんかあったの、とか、どうかしたの?とか聞いてあげたりとか、聞きすぎないようにはしてますけど、微妙なね。

あんまり根掘り葉掘り聞かれるの人って好きじゃないんだと思うんだけど、言いたいってこともあると思う。人によっては家族構成は聞かれたくないけど、お給料の事は聞かれたくないけど、彼氏との恋の関係はとことんまで聞いてほしいとかってあると思う。だからこそ、であるからこそ、ネイルサロンに勤めてたころから来てくれる人ももちろんいるのね。そういう人はやっぱほんとうれしい。ずうっと来てくれる人はうれしい。

でもそれは、あくまでも付加価値なんですよ。いちおうネイルサロンなので技術を売っているわけなんですよ。技術とその時間。その時間、空間の中にたとえば最後にお茶が出るとか一息できるていうのはメニューに書いてないけどありますよね。そのひとつに、じゃあ佐々木さんと話ができてなんか楽しかった、とかていうのがちょっとでもあればいいなっていう感じ。だからといって嫌いな人に技術的なことでね、こうすれば心を開いてくれるとか、こうつっこめば商品を買ってくれるとか、次の予約をとれるとか、そういうのは勉強もしてないし、したいとも思わないし、やろうとも思わないですね。
「高いんですよエステの機材が。だからね、大変。そんくらいお客さまから頂かなければいけないっていうのはわかる。それはしょうがないなとは思います。でも、それでも気軽に行けるエステをやりたい。」
Q:未来の予想は?
なんか前エステやってたって言ったじゃないですか。やっぱエステティックサロンてすごいんですね。契約をいっぱいとる、キャンペーンかかって化粧品売るとか。やっぱりそれがメインなんですよ。それじゃないとお店が成り立たないから。

だからねえ、それこそホットペッパーじゃないけれど、お試し千円、あ、安いじゃんていって、安いから行くけど、そこには五十万円のローンを組ませようとして待ってるわけですよ。ほんとにそうなんです。ま、五十万円が三十万円だったりとか、場所によって百二十万、二百万のところもあるし。

そうそうそう。手口が汚いとかではなくて、お店のために、お肌のために、だって高級な五万円するクリームとか、やっぱりお肌のためによかったら使いたいって女心があるじゃないですか。確かにきれいになるし、もちろんもちろん。ただ、高い。ただではない。高額。

そういうやり方がやでしたね。お客さんともだんだん仲良くなるし、でも次キャンペーンですすめなければいけないし。でもすすめるわけです、仕事だから。まあ、いいと思ってるからすすめるわけですけど、お財布事情も知ってるし、これ払ったらお給料どうなっちゃうの?みたいなね。

で、そういうのやだったんだけど、エステは、お手入れ自体は好きだし、例えば高額のローンを使わなくてもできるエステもあると思うんですよ。そういうのできたらいいなって。大げさなことじゃなくて、もう、自分のできる範囲、自分の小さい手の中で、十回コース何十万じゃなくて、一回一回少しずつ通える来やすいエステとかはやりたいと思う。けど、高いんですよエステの機材が。だからね、大変。

実際自分でやろうと思った時にそんくらいお客さまから頂かなければいけないっていうのはわかる。それはしょうがないなとは思います。でも、それでも気軽に行けるエステをやりたい。爪もやってるし、お顔もできる。そんなサロンができたらいいですね。

ちょこっとね、美容業界なんだけどOLみたいな事やった時があったんですよ。決まったお給料の中だけど、女の子って美容院にも行きたいし、もちろん爪もやりたいし、エステも行きたいし、新しい化粧品もほしいんです。新色の口紅が出たらほしい。そんな毎日で、こんな少ないお給料でつらいな、疲れたなって仕事帰りにふらっと、こういうところ行きたい、エステ行きたいって思った時に、すっと行けるお店ってないんですよ。気軽に。大手のエステには気軽に千円でいけるけど、そのあと三十万のローンを断る力がなければ行けないっていうのはわかってるから。

こうだったらいいな、こういう店がその時あったらいいなって、その時ほしかったお店とかがあったら。働く女の人の味方みたいな。そういうお店を作りたいのね。お金をもうけたいとか、野望はあんまりないです。食べてければいいかな。そうですね、これもほんときれいごとに聞こえるけど、もっとお客さんに喜んでもらいたい。

ひとつひとつは小さいけど、やりたい事がたくさんある。夢があるって感じですかね。実現する可能性はぜんぜんないけど、わかんないですけど、宝くじ当たったら一気にぼーんとやりますんで(笑)。そうそうそう。そんな感じですかね。

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